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貝を買う [バイオリン製作]

装飾の手法にインレイというのがある。
バイオリンのパーフリングもインレイなのだが、これは、
木の表面に溝を彫り、そこに埋めるように装飾の飾りを
していくのである。
バイオリンのパーフリングは木を埋めるのであるが、
昔のバイオリンの一部にはマザーオブパールインレイといって、
真珠貝の貝殻を埋めたものもある。

当然ながら、溝を正確に作るのも大変だし、それにあった
装飾を切り出すのも大変なものであるが、だからこそ
楽器に手がかかっている証拠であり、特にギターやマンドリンなどの
表面がフラットな楽器では高価な楽器には必ずといっていいほど
マザーオブパールインレイを施している。

バイオリンのマザーオブパールインレイがどうして廃れたのかは
分からないが、おそらく表板や裏板のアーチがきつく、
これに合わせた貝を加工するのが大変なのと、
音や耐久性などの問題があったのかもしれない。

しかしである。自分で使う楽器ならば、多少の耐久性は問題ないし、
マンドリンやギターで施されているインレイが極端に音に影響する
というのも納得いかないので、小さなインレイくらいかまわないかも?

ということで、白蝶貝を買ってみた。
本当は、大きなシート状のものを買えばいいのだけれど、
結構な値段がするのと、貝の加工は大変なので、アクセサリー用に
ある程度加工されたものを探した。

通販で買ったのだが、予想外だったのが、これらの貝、結構な厚さがある。
いくら自分で使うといっても、板を大きく掘り込んだらやはり音と耐久性に
自信をもてないので、なるべく彫る深さを減らしたいのであるが、
すると、貝を極限まで薄く削るという、これまた気が遠くなるような作業が
発生しそうである。

写真の、丸い貝は自分で好きな形に加工するために買ったが、
頭の中での考えと、手間隙がかかる実作業との間には大きなギャップが
存在するのであった。

さて、kityの弾き込みであるが、こういったのは一気にやらないと
そのうち忘れてしまうので、今日も、夜にもかかわらず、録音してみた。
レパートリーの中から数少ない明るく弾き込みに適していそうな曲ということで
選曲。

モンティ:チャルダッシュ 2006.02.28録音(kity)


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ホワイトバイオリンKityKiteの産声 [バイオリン製作]

男は、前夜の疲れを引きずったまま、倒れこむように家にたどり着いた。
家には、愛器eagleと新しく到着したばかりのKityKiteが男の帰りを待ちわびていた。
「待ってろよ、しばしの休息の後、お前たちの相手をしてやるからな」

男は一声かけた後、ベッドに倒れこんだ。

いくばくかの時間が過ぎ、ふと、気がつくと、男の足元には、未開封のダンボールが一つ転がっていた。

いぶかしげに箱を開けて出てきたものは・・・

BEHRINGER STUDIO CONDENSER MICROPHONE C-1

ぉお、なんとBEHRINGERのスタジオコンデンサマイクではないか。
こんなものが、私の元にくるなんて、USBオーディオインタフェースUA-25の
EDIROL UA-25

24bit/96KHzの録音機能を用いて楽器の音を録れという、神の思し召しか?

追記:こう書いたが、24bit/96KHzで処理可能なソフトがほとんどなく、MP3に変換したときに、おかしな音になっていたので、一旦、16bit/48KHzに変換してから、MP3に落としなおした。DAWのソフトを入れれば出来るのだろうか・・・

前のブログに書いたように、ホワイトバイオリンKityKiteは乾燥期間中である。
こいつは、板厚調整を行い、eagle以上の音質を目指すつもりなのであるが、板厚調整後の音質がどのようになるかは、初期の音を記録しておかないと分からない。

そこで、ちょうどよい機会だ、KityKiteの音を残しておこう。

ということで、早速、KityKiteのセットアップに入る。前に書いたとおり、KityKiteの各パーツは調整済みであり、弦を張って顎あてをつけるだけでセットアップは終了する。もちろん、「普通このキットを買った子供たちは、駒の調整や魂柱の調整などはやらない」はずなので、キットの音といったときには未調整の音を残すべきだろう
という理由で、私も今回は調整をやらない。
決して怠惰ゆえに調整をサボったわけではない

セットアップが終わっても、当初弦はどんどん伸びるので、すぐには演奏可能な状態にはならず、しばらくはチューナーと格闘しながら、弦の落ち着きを待つ。

さて、それでは、録音である。

すでに、レッスンでやったレパートリーは出尽くしてるのと(笑)、私の演奏技術という不確定要素はなるべく排除すべきなので(とはいっても、右手のテクニックがないので、本来の音は出ていない)、単純なスケールを録音した。

ホワイトバイオリンKityKiteの産声を聞け!

ちょっと、鼻が詰まったような、何ともいえぬ音である。
では、表板の調整はしっかり出来ているはずの、eagleでも同様に録音することで、差を聞いてみよう。

eagleでのスケール

録音レベルを均質にできないため、再生してもほとんど分からないが、実は、楽器の音量にも大きな違いがあり、eagleはKityKiteよりもはるかに音量が出ているし、鼻が詰まったような感はない。

KityKiteがこれからの調整で、どこまでeagleに迫り、また、乗り越えられるかは一つの楽しみである。

(6800円のKityKiteに簡単に乗り越えられたら、少し悲しいかも? 笑)

追記:鼻が詰まったような音は、もしかしたら、まともな弦に替えて、楽器を弾き込むことでよくなるかも?
ちょこっと遊んだ限り、KityKiteは結構弾きやすい楽器である。チャルダッシュのフラジオもわりと素直に出てくれる。(eagleがフラジオ出にくいだけか?)
このまま少し弾き込んでみないと音の比較にはならないかなぁ?


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ヴァイオリンキット [バイオリン製作]

私の愛器eagleはキットから作成したものであることは、以前、このブログに書いている。

このところ、クレモナのバイオリン製作家の菊田氏のブログにお邪魔することが多く、氏の美しいバイオリンの造形に刺激を受ける日々であった。

ところで、季節は芸術の春である(なんのこっちゃ)

練習のため、早めに家路についた私の元に、一つの箱が送られてきた。

ん?何だろう・・

開けてみると、美しい(とはいいがたいが)fのくっきりと浮き出した板が見える。
(画像を右クリックして、画像を表示とすると、縮小していない元画像が見えます)

ぉお~!!これは、もしや、6800円のスズキものつくり教室のバイオリンキットではないか???

バイオリン キット【サイズは2タイプ】 1/2・4/4

誰がこんなものを???
(って、バレバレだが、前に書いたように、バイオリン製作の練習として、StewartMacdonaldのキットを作る前にもう一度前に失敗したところをおさらいする必要を感じていたのだ。陳氏の本にも、数をこなすことが重要だと書いてあったではないか。・・・って、お前は専業じゃないだろぅ・・・)
恐る恐る、箱を開け、楽器の裏を見てみる。

なんと、このキット、裏の楓には杢がくっきりと出ているではないか?
表も裏もパーフリングは・・・素人加工である・・・(折れたままの私の加工よりは数段きれいだが)

これは、教育用キットであり、子供たちが作ったりするのであるが、ペグや駒はどうなっているかと、キットの小袋を開けてみる。

ぉお、ちゃんとペグは調整済みで、どの弦ようのペグなのかがシールで張ってある!駒も、削りはされており、そのまま装着しても使えそうである。ベルの部分をもう少し削り込めば、ちゃんと使えそうだ。

試しに、ペグをヘッドにつけてみたけれど、どこかのキットのように力任せに回しても回らないなんてことはなく、普通に使える状態に調整済みであった。が、ペグの端は反対側から頭を出さないものもあったりと、使えりゃいい状態である。まぁ、どこかのキットのように「絶対使えねぇぜ」状態ではないのは、ポイントとしては大きい。

使えりゃいい精神は、このキット、全てにいきわたっており、スクロールや糸巻き溝の加工も、その崇高なる精神と系譜ときちんと継承しているのである。

穴という穴にはバリが残っており、糸巻き溝の底は無残なノミの後がある。が、だからといって、使えないものではないのは、確かだ。スクレイパーやヤスリできれいにし甲斐があるというものだ。

エンドピンから中をのぞいてみよう

トップブロックやボトムブロックはどこかのキットと違い裏板にしっかり接着されていそうである。サウンドポストもちゃんとまっすぐ立っている(当たり前か)。

ただし、リブのライニングは分厚いテープ状態であり、未加工だし、良く見るとネック付近の左側はライニングが届いていなかったりする。

とまぁ、色々あるけれども、6800円のキットにしては、かなり遊びでがありそうである。

今後の計画であるが、まずは、お約束の乾燥期間を置いてから、その後の処理を検討することになるのである。

裏板の接着はニカワのように見えるのだが、表板の接着はどう見てもタイトボンドであり、逆だろう普通!と思いながらも、タイトボンドをどうやって剥がしてやろうかと、乾燥期間の間に検討する予定である。

さて、名前がないままでは、知的レベルが上がらないのは、この世界の常識なので(って、どの世界なのだ?)、名を与えよう。

ではあなたに名前をあげます。
そなたは、「オーマ」、じゃなくって(笑)、
KITY KITE


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書籍「海峡を渡るバイオリン」を読んで [バイオリン製作]

先日買った本を昨日の東京出張の往復と帰ってからの時間で読みきった。

海峡を渡るバイオリン

海峡を渡るバイオリン

  • 作者: 鬼塚 忠, 岡山 徹, 陳 昌鉉
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2002/09
  • メディア: 単行本


ドラマ以上のことはあまりかいていないなぁ・・と読み進んでいると、あるページに
「最近になって、やっとストラディバリの気持ちが多少はわかるようになった気がする。」
と書いてあって、ぉお~!!、と喜んで読み進んだら、

「私も人間であるから、自分の技術をおいそれと盗まれたくはない。」

はぁ~、そういうことか~

それでも、駒のわずかな調整や、弓の毛の張替えで3倍の値段の楽器のレベルに引き上げることができるなどといった参考になる記述もあり、影響されやすい私は、今日帰ってから、愛器eagleの駒をわずかに調整してみた。

本にはどう調整するといいのかというのは書いていなかったが、私の楽器はA線のDの音がどこかに共振しておとなしくなっているので、A線回りの駒を軽くし、音の出方が変わるようにという方針で彫刻刀の歯をスクレーパーとして使い、本当にほんのわずかだけ、駒を削ってみた。
追記:朝、起きてから冷静に考えれば、共振しているのは、おそらく胴だろうから、魂柱をわずかに動かすことで対応できるような気がするが、魂柱を動かすのは滅茶苦茶苦手なので、躊躇するなぁ~

結果、Dの音も少しはよくなった気がするが、それよりも、E線がずいぶんきらびやかになってきた気がする。^^;

調整前の駒はこんなかんじ

調整後は

いや~、写真で見ても違いは分からないですね~

こんなんで、音が本当に変わったのか、気がするだけかは神のみぞ知る


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太平洋を渡るバイオリンキット [バイオリン製作]

以前、StewartMacdonaldから購入(衝動買い)したF5マンドリンキットが押入れに入っている。これは、ショルダースクロールの作成方法を思いつかず、長期の乾燥を行うことに急遽予定変更となったものだった。

入れっぱなしにすると忘れ去られたまま数年は過ぎ去るだろうから、冬の乾燥した時期にエアコンの風にでも当てて、少しシーズニングを進めても良いかと、押入れの奥から引っ張り出してエアコンの下に持ってきた。

あ~、このキット、私のところに来なければ、今頃、立派に音を出していたかもしれないなぁ、などと、感慨深く眺めていると、ふと、異質なものに気がつく。

あれ?
マンドリンの左側にあるスクロールの付いたネックは何だ?

もしや、StewartMacdonaldで売っているバイオリンキットがサービスで付いてきたのか
(な、わけないだろう)。

はい、マンドリンキットを衝動買いしたときに、アメリカで売っているバイオリンキットはどんななのか、興味を押さえきれず、ボタンをクリックしてしまったのでした。

言い訳すると(今更)、ミネハラ(HOSCO)のバイオリンキットに悪戦苦闘の結果、ようやくそれなりのものに仕上がってホッとしていた時期、たまたませばすちゃん氏のページで同じキットで同じようなひどい目にあっているのを見つけたのであった。
マンドリンキットの購入を決めたときに、そういえばアメリカで売っているキットの品質はどうなんだろうという疑問がムクムクと湧き上がり、一緒に買えば送料はかからないぞという悪魔の声に逆らえなかったのであった。

マンドリンキットを何で購入したのかという話もあるのだが(笑)、こちらは、たっぷり余っているセラックニスの使い道という理由があって、輪廻は回るぐるぐると・・・

実は、このバイオリンキット、中国製で、パーツセットの袋には中国企業の名前までそのまま入っている。つまり、キットは太平洋を越えて、アメリカにわたり、ネットショッピングによって、再び太平洋を越えて私の手元に来たのである。
海峡を渡るバイオリンならず、太平洋を渡るバイオリンキットである。

今は、キットは乾燥中(笑)であり、すぐに触る計画はないのだが、そのうち、暇を見つけて、日米のバイオリンキットの比較をしてみたいと思う。


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ホワイトバイオリンからのバイオリン製作 [バイオリン製作]

アメリカのバイオリン掲示板などを見ていると、キットを作るよりもホワイトバイオリンの板厚を調整(regraduation)する人が多いような気がする。
私のEagleはキットから作ったのだが、ボディやスクロール、ナット、ペグなどの処理がひどいキットで苦労したことを考えれば、ホワイトバイオリンの板厚調整の方がはるかに早くきれいなものが出来るのだろう。

ホワイトバイオリンといっても、値段もさまざまなので、一概には言えないが、一番音に影響のある表板(SoundBoard)を自分で調整するのであれば、あとは杢などの見てくれの問題に帰結しそうな気がする。

というのが、自分でキットを作った感想である。

次に作る機会があれば、ぜひともホワイトバイオリンからにしたいかも(笑)

実は、日本で入門用のキットとして7000円くらいで売られているスズキのバイオリンキットはホワイトバイオリン以外の何者でもない。

バイオリン キット【サイズは2タイプ】 1/2・4/4

このバイオリン、杢こそほとんど出ていないが、パーフリングはきれいだし、表板は木目も良く通っている。パーツがちょっとショボイが、それは交換可能なので、あまり気にすることはないだろう。(杢が出ていないのは、ミネハラのキットも同じなので、3倍の値段差を考えると、ものすごくコストパフォーマンスは良い)

板厚調整(regraduation)の練習用にはいいかもしれない。

世界ではどうなっているかと、ちょっと検索すると、業者向けのサイトMID HKにホワイトバイオリンが出ていた。

う~ん、この1ピースバックのストラドモデルが$98!! ほっ欲しいかも~

ショッピングサイトなのだが、この業者は基本的に業者しか相手にしておらず、最低シッピング単位が$800と結構な額なのである。
5~6人、欲しいという人たちが集まれば共同購入で輸入してもいいかもしれないが、何しろ相手は生き馬の目を抜く香港の会社である。実際に現地で物を見て交渉しない限り、通販で、こういった生ものを購入するのはリスクが大きいような気がする。

となると、アメリカのサイトで発注したほうが値段は倍くらいになったとしても、若干安心感がある。高いのから安いのまであるホワイトバイオリンだが、そこそこで杢が良く出ているものをGR Guitarsという会社が扱っている。

などは、$200近くするが、ベースとしてはなかなか優れもののようだ。

などと、色々と可能性を夢見ながら、まずはスズキのキットでregraduationの練習を積もうか・・・ あれ?


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バイオリン製作記(2005年9月~) [バイオリン製作]

このブログは過去の事柄を大急ぎで書き下ろしているので、
時間がぐるぐる行ったり来たりするのであるが、時は2005年9月である。

夏の暑さも弱まり、芸術の秋風が吹いた頃、ふと、一年前に買った押入れの奥深くのバイオリンキットに手をかける男がいた。

このキット、到着時点から色々と補修作業をしないと作り始められないことと、
調整済みなんて書いてあるくせに、全力で回そうとしても回らない糸巻きなど
製造品質に大きな問題を抱えているのである。が、こちら側の事情としても
一番の難関であった、0.1mm単位で木を削るという部分でためらい、
ずっと手付かずにいたのであるが、ふと自分の木工加工精度は
どう考えてもそんなにはないことに気がつき、それなら
精度にこだわらなくてもいいのではないかと割り切れたのであった。

そうはいっても、大体の厚さはそろえたいので、
キャリパーの自作を思い立った。

バイオリンの製作記そのものは、前のブログに載せているので、
ここでは、そのリンクだけを置いておこう。

組み込まれたエンジニア:バイオリンキット
自作生バイオリン:eagle


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それは、2004年の秋であった [バイオリン製作]

7ヶ月ほど時計を巻き戻し、2004年10月の頃である。

芸術の秋にふさわしくバイオリンのプライベートレッスンをスタートさせることにしていた私であるが、元々バイオリン族に興味を持ったきっかけがストラディバリの謎に代表されるような音の不思議だったことを思い出していた。

誰がヴァイオリンを殺したか

誰がヴァイオリンを殺したか

  • 作者: 石井 宏
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2002/03
  • メディア: 単行本

この本では、古いガット弦の頃の音色が本来のヴァイオリンの音だという基調で現代バイオリンを批判的に書いているが、そういった旧世代の音を楽しむにせよ、現代的に改造されているストラディバリの音色を追及するにせよ、エレキバイオリンroseにそれを求めるのは無茶というものであろう。

いわば蓋然が必然に昇華し、背中を押されるようにあるホームページのボタンをクリックした男がいた。



発注したのは、工房ミネハラのキットである。
発注する前、これの元ネタ商品がいくつかのページで安く紹介されていて、どれにするかを迷っていた。
元ネタ商品はHOSCO社V-KIT-1であり、ネットで12,000円~15,000円程度で売られている。
バイオリンキット、オール単板モデル

が、決め手は、指板、ナット、サドルが黒檀にグレードアップ済みであることと、「親切マニュアル」が付くという殺し文句である。
追記:こう書いたが、せばすちゃん氏のページを良く見るとHOSCOのものもチューナー付きテールピースだし、指板は黒檀っぽい。 実は、HOSCOのキット自体がグレードアップされているのか。 だとしたら、ミネハラのは「親切マニュアル」だけが違い?
追記2:販売店に問い合わせたが、HOSCOのV-KIT-1はエボニー指板・柘植ペグ・ファインチューナー付きに仕様変更されているとのこと。 ミネハラのキットとの8000円の差は+親切マニュアル-(弓+松脂) ということで、実質1万円以上高い買い物をしたことになる。う~む・・・

正直、木工細工はホームセンターで買ったラックの組み立て程度しかしたことがなく、削ったり切ったりなど、からっきし自信はないのであった。

ミネハラ社のキットはパーツはグレードアップ品になっていて、松脂、弓は付属しないというものなので、roseの弓を使えばいいやと考えていた私にはV-KIT-1との価格差は許容範囲であったのだった。 (だが、後で調べると、ミネハラの単品グレードアップ商品の値段を合計してもこの価格差まで到達しないことが判明。う~ん、ネットでの買い物は難しい)

親切マニュアル付きと言われても、ストラディバリの秘密に分け入ろうとする男にはそんなものに頼る理由はなく(ぉい、さっきと言っていることが違うぞ)、同時に、バイオリン製作の定番本

The Art of Violin Making

The Art of Violin Making

  • 作者: Chris Johnson, Roy Courtnall
  • 出版社/メーカー: Robert Hale Ltd
  • 発売日: 1998/04
  • メディア: ハードカバー

をアマゾンに発注していたのであった。
この本に書かれた、バイオリン製作の奥の深さに畏敬の念を抱き、かつ、削りだされた木々の痛みを和らげるため、購入したキットにはしばしの休息を与えることにきめ、押入れの奥深くに静かに安眠の場所を与えたのであった。

これだけでは、私が単に衝動買いしたものの、怠惰に流され、手をつけなかったと誤解する向きもあるだろうから、ここでバイオリン製作の奥の深さの一端を軽く紹介しておこう。

ポイントは、バイオリンの音質を決定する表板と裏板の調整である。さまざまなホームページを検索し調査した結果、ストラディバリの現物の測定結果をフォローして同じような厚さに削る人が多いことが分かる。

ところが、例の本には厚さのことなどほとんど書いていない。書いてあるのは、まずは全体を3mm厚程度に削ってからタップトーンでチューニングすべしという深遠なる記述である。

タップトーンは3モードあり、板の下の端、末端、中央を叩くことで、それぞれ異なる3種類の振動分布が発生する。この共振点を本で書かれた周波数に調整するのである。
振動の腹の木の強度を落とすように削ると共振点が下がるのであるが、当然ながら削りすぎは許されない。

ネットで0.1mm単位でキャリパーで測りながら削るという人たちがいるのにも頭が下がるが、タップトーン調整の方は、3つのモードを独立に調整する手法など想像だに出来ず、このような手段で製作をしていたであろうクレモナの人々に畏敬の念を抱かざるを得なかったということである。

決して、単なる怠惰でほったらかしにしたわけではないことを 再度 強調しておこう


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